2020年8月21日
TPCマーケティングリサーチ株式会社

この程、TPCマーケティングリサーチ株式会社(本社=大阪市西区、代表取締役社長=川原喜治)は、世界の中分子医薬品市場について調査を実施、その結果を発表した。
【調査結果】

2019年度の全世界における世界の中分子医薬品市場は、
前年度比4.1%増の2兆4,626.6億円となった。

  • 2019年度の全世界における中分子医薬品市場は、前年度比4.1%増の2兆4,626.6億円となった。
  • モダリティ別では、核酸医薬品が2,970.6億円となり、全体の12.1%を占めている。核酸医薬品は、1998年に世界初の製品「Vitravene」が米国で上市されたものの、2製品目(「Macugen」)は2005年、3製品目(「Kynamro」)は2013年と発売のペースは極めて遅い。最初の製品上市から約15年間で3製品の上市にとどまっている。
  • しかし、2016年に米国で脊髄性筋萎縮症治療薬「スピンラザ」とデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬「Exondys51」の2品目が上市。これを皮切りに、2017年には、日本で1品目、欧州で1品目が上市。2018年には、米国で3品目、欧州で2品目が上市。2019年には、日本で1品目、米国で2品目、欧州で1品目が上市されるなど、ラインアップが充実し本格的な市場形成がなされた。
  • 一方、ペプチド医薬品は2兆1,656億円となり、全体の87.9%を占めた。ペプチド医薬品自体は既存のモダリティであり、複数のブロックバスターを擁していることから、大きな市場が形成されている。但し、製品的には長期収載品も多く、後発品や新規製剤と競合する大型製品も目立つ。

2019年度の全世界における核酸医薬品市場は、
前年度比30.4%増の2,970.6億円となった。
日本市場では、2020年に国内企業初となる核酸医薬品が上市された。

  • 2019年度の全世界における核酸医薬品市場は、前年度比30.4%増の2,970.6億円となった。
  • 日本、米国、欧州の3極のシェアを見ると、日本が62.7億円で全体の2.1%を占めている。また、米国が1,638.1億円で同55.1%、欧州が1,018.2億円で同34.3%の占有率となっている。なお、その他地域の売上は251.6億円で全体の8.5%を占めた。
  • 地域別に見ると、日本の市場は、米国・欧州と比べて承認されている製品の数が少ないことから、その規模もまた小さい。その中で、2020年には国内企業初となる核酸医薬品が上市されている。
  • 米国は、最も多くの製品が上市されており、核酸医薬品の中心市場を形成している。
  • 欧州は、米国に次いで1,000億円規模の市場を形成しているが、米国では迅速承認されたエクソン・スキップ療法の製剤群が承認されていない。

2019年度の全世界におけるペプチド医薬品の市場規模は、
前年度比1.3%増の2兆1,656億円となった。
地域別では、米国が1兆3,050億円で全体の6割強を占める。

  • 2019年度の全世界におけるペプチド医薬品の市場規模は、前年度比1.3%増の2兆1,656億円となった。
  • 地域別にみると、米国が1兆3,050億円で全体の6割強を占める。次いで、欧州が3,900億円の18.2%、その他地域が2,640億円の12.2%、日本が2,066億円の9.5%となっている。
  • 米国市場では、NovoNordiskの2型糖尿病治療薬が大きなシェアを獲得している。その中でも、今後は週1回投与で効果の持続性が高い「Ozempic」と、「Ozempic」の錠剤タイプ「Rybelsus」の2剤が、1日1回投与の「Victoza」からの置き換え需要を背景に大きく伸びていく見込み。
  • 欧州市場では、NovoNordiskの2型糖尿病治療薬、Teva Pharmaceuticalsの多発性硬化症治療薬、武田薬品工業およびAbbVieが展開するリュープロレリンを有効成分とする抗癌剤などが主力であるが、いずれも売上は減少推移となっている。一方、米国と同様に、今後は「Ozempic」が大きく伸長していくとみられる。
  • 日本市場では、テリパラチドを有効成分とするEli Lilyおよび旭化成ファーマの骨粗鬆症治療薬や、武田薬品工業の長期収載品となる抗癌剤が大きなシェアを保持しているが、テリパラチドについては2019年に特許が失効したため、今後は後発品との競合により市場規模が小さくなっていく見通し。なお、今回ジェネリック医薬品は調査対象外としている。
【調査要覧】
<調査対象>
核酸医薬品とペプチド医薬品の2つのモダリティ
(インスリン製剤・ジェネリックのペプチド医薬品は調査対象外)

<調査対象企業>
[日本企業編]
武田薬品工業、旭化成ファーマ、日本新薬、大日本住友製薬、塩野義製薬、エーザイ、小野薬品工業、協和キリン、第一三共、中外製薬、ペプチドリーム、ジーンテクノサイエンス、リボミック、ナノキャリア
[海外企業編]
Eli Lily、NovoNordisk、Biogen、Sarepta Therapeutics、Alnylam Pharmaceuticals、Novartis

<調査期間>
2020年4月~2020年8月

<資料名>
「2020年 世界の中分子医薬品市場」
―新規創薬モダリティとして注目される核酸医薬品とペプチド医薬品―
http://www.tpc-osaka.com/fs/bibliotheque/mr410200513
発刊日:2020年8月20日   頒価:97,000円(税抜)

【会社概要】
会社名:TPCマーケティングリサーチ株式会社
所在地:大阪府大阪市西区新町2-4-2 なにわ筋SIAビル
事業内容:マーケティングリサーチおよび調査レポートの出版
コーポレートサイト:http://www.tpc-cop.co.jp/
オンラインショップ「TPCビブリオテック」:http://www.tpc-osaka.com/
ISO27001認証書番号:IS598110

【本件に関するお問い合わせ】
フリーダイヤル:0120-30-6531

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